第8話 〜兄の想い。妹の決意。〜
ラウラとは実は血が繋がらない。
僕は産みの母を早く無くし、父は再婚した。それがラウラの母。いわゆる連れ子だ。その母はイスパニア下級貴族の一人娘で、ラウラは跡取り娘になる。仲良く育ったが身分と境遇、全く違うのだ。
僕は翌日からラウラに謝る方法を思案していた。
好物のトルティーヤをご馳走しようか、読みたがっていた本を贈ろうか?
「うーーん。」
酒場に行ってロサリオ姉さんに相談しに行った。
「ダメねーそれじゃ。センスないわね〜」
「手厳しいな、姉さん。」
「なら何がいいかな?」
「そうねー。あら?ジェイその首飾りどうしたの?」
「あぁ…これはリスボンで仕入れたんだよ。」
「それなら、まぁ悪くないんじゃないかしら?」
「でも、大事なのは誠意よ?ちゃんと心から謝るのよ?」
「わかったよ。家に帰ってみる。」
そしてセビリア近郊の村の自宅へと一年振りに帰ってきた。
「ただいま。」
ラウラは返事もせず、夕食を作っている。
「すまなかった。まずはこれを受け取って欲しい。」小さな小箱に入れたひすいの首飾りを差し出す。
「何?まぁ貰ってあげるわ。」ラウラはひすいの首飾りを見て少し笑う。しかし、すぐに表情を戻して
「兄さん、何で私が怒っているかわかる?」
「それは…一年も帰らずにお前に心配かけたからで…」
「それだけじゃないわ。わかってないわね。」
「兄さん、ちょっと火の加減見てて。私少し出てくるわ。」
「あぁ…すまん。」と情けなく僕は答える。
一刻程経って扉の開く音がした。
振り返ってその方を見る。
そこには航海者養成学校の制服に身を包んだラウラが立っていた。
「その服どうしたんだ….。」
「これが答えよ?」とラウラは答える。
「どうして私も学校に誘ってくれなかったの?」
「いやお前には海に出るなんて、そんな危険なことさせられない!誘う訳ないだろ。」
「母さんは、いつも世界を見て周りたい。と口癖のように行ってたわ。兄さんはその母さんの願いやお父さんの最期の言葉を聞いて、航海者を目指したんじゃないの?」
「お前には、お爺様の家を継ぐ役目があるだろう!何かあったら申し訳が立たない。」
「お爺様には了承を得てるわ。それに私は商売中心の航海者になるの。」
「だからってな。」
「兄さん!自分だけで母さんや父さんの夢を背負わないで!私も背負うわ!」
「ラウラ…そうだな…。すまない。辛いし冒険に憧れてたのはお前も一緒だったな…。」
「わかった!兄妹力合わせていこうじゃないか。」
「兄さんは、商売とか向いてないし、いつも適当だもんね。」
「グッ、まぁな…。」
出航の日。
「兄さん、上級学校のピサで会いましょう!元気で。」
「あぁ、お前もな!」
こうしてセビリアを後にして再びピサを目指す事になった。
〜つづく〜

まだピサには着きませんw引っ張ります!
スポンサーサイト
« 〜商会員募集をしてみる(≧∇≦)〜 | 第7話〜ラウラ との再会 〜 »
コメント
ピサでどうなるのか・・楽しみだw
続きを楽しみにしてます^-^
ゴロ大王 #- | URL | 2015/05/16 22:36 [edit]
|x・`)チラッ
読み進めていく内にどんどん引き込まれますね!
ジェイさんの才能ですね~(*^ー゚)b
続きを楽しみにしておりまする☆
あっぷる #- | URL | 2015/05/17 09:13 [edit]
お二人へ
ゴロえもん、アップルさんブログ見ていただいてありがとうございます^ ^
才能はだからないですよw
ただ書いてて自分でワクワクするようなストーリーを書けるよう頑張りますb
ジェイ #- | URL | 2015/05/18 16:34 [edit]
| h o m e |